年金制度は、高齢期の生活を安定させるために非常に重要な制度です。
しかし、その仕組みは複雑であり、多くの人が把握しきれていないのが現状です。
今回は、老齢基礎年金のしくみについてわかりやすく解説していきます。
老齢基礎年金とは
老齢基礎年金は、国民年金制度の中で最も一般的な年金給付の形態で、国民年金及び厚生年金の第1号被保険者(会社員以外の人々)や第2号被保険者(会社員)が受け取ることができる年金です。
老齢基礎年金は、65歳以上の高齢者が受給することができます。
老齢基礎年金の受給条件
老齢基礎年金を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 65歳以上であること
- 国民年金に10年以上加入していること
この条件を満たしていれば、老齢基礎年金を受け取ることができます。
老齢基礎年金の受給額の計算方法
老齢基礎年金の受給額は、加入期間によって決まります。
加入期間が長いほど受給額が高くなります。具体的な計算方法は以下の通りです。
- 加入期間(月数)を全期間の加入期間(40年=480ヶ月)で割る
- その結果を基準額(2021年度は66,980円)にかける
例えば、加入期間が30年の場合、受給額は以下のように計算されます。
(30年 × 12ヶ月) ÷ 480ヶ月 × 66,980円 ≒ 50,235円
これによって、老齢基礎年金の受給額が求められます。
老齢基礎年金と他の年金制度との関係
老齢基礎年金は、国民年金と厚生年金に共通する部分であり、どちらの制度に加入している人も受給することができます。
また、厚生年金に加入している人は、老齢基礎年金の他に、厚生年金の老齢厚生年金も受け取ることができます。
老齢厚生年金は、会社員や公務員などの第2号被保険者が受給する年金で、基本的には加入期間と所得に応じて受給額が決まります。
つまり、厚生年金に加入している人は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受け取ることができるため、受給額がより高くなります。
このことから、厚生年金に加入している人は、老後の生活がより安定すると言えます。
また、国民年金の第3号被保険者(自営業者や個人事業主などの人々)は、老齢基礎年金とは別に、第3号被保険者特別加算が支給されることがあります。
これは、第3号被保険者の加入期間や所得に応じて支給額が決まるもので、老齢基礎年金と合わせて受け取ることができます。
まとめ
今回は、老齢基礎年金のしくみについて解説しました。
老齢基礎年金は、国民年金及び厚生年金の受給者が受け取ることができる年金で、65歳以上で10年以上の加入期間がある人が対象となります。
受給額は加入期間に応じて決まります。
また、老齢基礎年金と他の年金制度との関係も確認しました。
厚生年金に加入している人は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受け取ることができ、より安定した老後生活が期待できます。
第3号被保険者は、老齢基礎年金に加えて、特別加算が支給されることがあります。
年金制度を理解し、自分にとって最適な制度を利用することで、老後の生活設計に役立てることができます。
ぜひ、今回の解説を参考にして、自分に適した年金制度を活用しましょう。