高齢化が進む現代社会では、老後の安定した生活を送るために年金制度が重要な役割を果たしています。
しかし、年金制度の仕組みは複雑で、理解が難しいと感じる方も多いでしょう。
今回は、公的年金の仕組みについてわかりやすく解説していきます。
公的年金の種類
日本の公的年金には、大きく分けて以下の2つの種類があります。
- 国民年金
- 厚生年金
それぞれの年金制度について、簡単に説明していきます。
国民年金
国民年金は、すべての国民が加入する基礎年金制度です。
18歳から60歳までの国民が加入対象となります。
国民年金は、自営業者や無職の方、学生など、厚生年金に加入していない方が対象となります。
国民年金の保険料は、一定額で設定されており、所得に応じて支払いが調整される場合もあります。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員などの雇われて働く方々が加入する年金制度です。
厚生年金は、国民年金の基礎年金に加えて、所得に応じた額が支給される制度です。
厚生年金の保険料は、所得に応じて変動し、会社と労働者が折半で負担します。
年金の仕組み
年金制度は、「積立方式」と「賦課方式」の2つの仕組みで運営されています。
積立方式
積立方式は、個々の加入者が支払った保険料を積み立てておき、その積立金から将来の年金給付を行う方式です。
この方式では、加入者自身が積み立てた分だけが年金として受給されるため、現役世代が直接負担を軽減できます。
ただし、高齢化が進むと積立金が不足する恐れがあります。
賦課方式
賦課方式は、現役世代が支払った保険料を、すぐに現役世代以外の年金受給者に分配する方式です。
つまり、現役世代が支払った保険料が、直接高齢者の年金給付に充てられます。
賦課方式では、高齢化による負担増が現役世代に直接影響しますが、年金給付の安定性が保たれるというメリットがあります。
日本の公的年金は、これらの積立方式と賦課方式を組み合わせた「賦課累積方式」で運営されています。
これによって、現役世代の負担と年金給付の安定性のバランスをとっています。
年金の受給条件と受給額
年金の受給条件や受給額は、加入期間や加入者の年齢などによって異なります。
具体的には以下のような条件があります。
- 国民年金の場合、満65歳から受給が開始されます。加入期間が10年以上の場合、基礎年金が支給されます。
- 厚生年金の場合、満60歳から受給が開始されますが、満65歳までの間は所得に応じた減額が適用されます。満65歳を過ぎると、減額はなくなります。
年金の受給額は、加入期間や所得に応じて計算されます。
基本的には、加入期間が長く、所得が高いほど受給額が高くなります。
まとめ
今回は、公的年金の仕組みについてわかりやすく解説しました。
公的年金は、国民年金と厚生年金の2つの制度があり、それぞれに異なる特徴と対象者がいます。
また、年金制度は、積立方式と賦課方式を組み合わせた賦課累積方式で運営されており、受給条件や受給額は加入期間や所得によって決まります。
年金制度を理解することで、自分の老後の生活設計に役立てることができます。
ぜひ、今回の解説を参考にして、自分にとって適切な年金制度を利用してください。